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I.D.K.vol.11 「Door 過去への扉 Version2001」(2001)

 <STORY>

日野春カイ(風田次郎)はごくごく平凡な青年。純粋で一本気な職場の先輩、須原竜次(水上明也)、ひとつ屋根の下で暮らす面倒見のいいサユリ(木村梨紗)らに囲まれ、幸せな日々を過ごしている。
ただひとつ気がかりなのは、どこかにいるはずの父親の記憶を失ってしまっている事だ。

ある日、カイの住むのどかな町で、白昼殺人事件が起こる。殺された坂本(三上憂軌)という男は、サユリのかつての恋人、平沢裕也(ゲッター・チェン)の友人でサユリもよく知っている人物だった。

この事件を機に再会するサユリと裕也。それと同時に徐々に狂い始めるカイの平穏な暮らし。
”扉”の悪夢にうなされ、変わり果てていくサユリや竜次の姿に心を痛める。そして、その後も次々と起こる殺人事件。

一見何のつながりもないように見えた事件がひとつになり、カイを、そしてサユリを閉ざされていた”過去への扉”へと誘っていく

 
撮影日記はこちら
Doorのワンシーン

<キャスト>
カ イ(風田 次郎)
竜 次(水上 明也)
サユリ(村木 紗梨)
レ イ(山口 拓哉)
堺(後藤 将一)
都(平野 恭子)
坂本(三上 憂軌)
落合(杉山 忠臣)
原野(マッキ-俊克)
綾(成瀬 里美)
キャスタ-(伊藤浩司)
女(一休まさ代)
竜次の同僚(山口大輔)
平沢裕也(ゲッター・チェン)
日野春健次郎(神田 泰)
監督・脚本・編集/井手 義和
音楽監督/高岡 冬樹  音楽/buzZ-t
主題歌「GARDEN」高岡 冬樹
<上映記録> 
I.D.K.シアターVol.5上映作品

2000年12月3日I.D.K.シアターVOL.4にて上映された
"Door 過去への扉"に再編集、再構成、追加シーンを加えた2001年バージョン。
I.D.K.初の他団体との共同開催上映会"BEST OF インディーズムービー2ND"にて上映された。

第4回福井インディーズ映画祭観客賞受賞
オリジナルポスター

"Door"オリジナルサウンドトラック
GARDEN
(廃盤)
ALL SONGS WRITTEN&PERFORMED BY
FUYUKI TAKAOKA
主題歌「GARDEN」を含む全8曲収録
GARDENのジャケット

感想文  音楽監督 高岡 冬樹

今回、音楽監督という事でこの映画に参加させてもらいました。が、実際の作業に
入ると、いつも〆切ギリギリというかなり切羽詰った状態で、結果、当初の予定曲数よりも
少なくせざるを得ないという状況になってしまいました。
本当に迷惑をかけっぱなしだったように思います。
そんな状態でも、表情ひとつ変えずに対応してくれた井手君と、その穴を埋めてくれた
buzZ-tにはとても感謝しています。buzZ-tの仕事の速さとアイデアの豊富さには本当に脱帽しました。

それと、主題歌「GARDEN」について少し触れたいのですが、
この歌は自分なりに主人公から感じたことを歌にしました。
"Door"の主人公、カイはある意味、井手君自身の投影でもあるように僕は思います。
彼はそれについて否定するかもしれません。けれど、物を作るという事は少なからず
その人の何かが投影されるものだと、僕は思っています。無意識のうちにも・・・。
そして、僕からみても主人公”カイ”と、彼の物の見方などは
それほど違うものではないように思うからです。
この歌をはじめて彼に聴いてもらった時になぜだか ふと、そんな事を思いました。
                                      
                                              -おわり-

不完全な人々。

この"Door"には、映画やドラマにたびたび登場する、”完全な人間”は一人も出てきません。
とんでもない困った人たちばかりです。みなさんのまわりはどうでしょう。
この映画の主人公、カイのまわりを見てみるとサユリや竜次は一見、
いわゆる”いいひと”に思えます。
しかし、ほんの些細なことでその”いいひと”の殻は壊れてしまいます。
カイは悩みます。サユリや竜次は”こんな人じゃ無いはずだ”と。
でも人間なんてそんな程度の生き物だと、僕は思っています。
でもそれが=”わるいひと”とはならないとも信じています。むしろその方が人間らしいと。
この映画の中で、カイは前半とクライマックスで同じセリフを言っています。
そのふたつを聞き比べて、あなたはどう感じるでしょうか?
同じ言葉に聞こえるでしょうか?それとも、まったく違うものと思うのでしょうか?
答えは、ありません。僕にもよく分かりません。

                            監督・脚本 井手 義和