撮影日記

2001年11月18日(日)公開されたI.D.K.第12弾
「渇いた記憶」の撮影の模様を
写真付きで全日程紹介しています。
(PRODUCTION NOTEより抜粋。)

撮影期間 2001/4/1〜7/14
撮影日数 15日
撮影時間 約600分


January,2001
1/6 オリジナル最新作製作スタート!

いよいよ"Door Version2001"に続くI.D.K.第12弾オリジナル最新作の製作開始。
昨年8月にメンバーの神田泰が提案したプロットをより具体化。ストーリーの全体像の構築、キャラクターの人物設定、仮キャスティング等を行ない、脚本第一稿も部分的に書き始めました。大部分を神田くんに担当してもらったため、久々に"神田テイスト"に満ちた脚本になりそうです。彼は仕事は遅いが引き出しが多く、次々に何通りものアイデアが溢れてくる。細かいこだわりを随所にちりばめるその作風にただただ脱帽。色々と勉強になります。打ち合わせはPM7:00からAM4:00にまで及び、ようやく一段落つきました。

April
4/1 新作撮影日記「ついにクランクイン!オリジナル最新作」

クランクインの今日、いきなりラストシーンの撮影を行いました。出演者は主演の山口拓哉と、名古屋の重鎮・神田泰。二人は映像上では前作"Door"で共演していますが、実際に顔を合わせるのは今日が初めて。東京、名古屋を又にかけて撮影を行うI.D.K.には良くあることです。
今作の撮影より、照明を一機増やし、記録係も取り入れるなど、より緻密な映像作りを心がけています。


4/8 新作撮影日記2「撮影二日目、初ロケ」

撮影二日目の今日は、初のロケを敢行。ロケ地は前作"Door"でマッキーが命がけスタント?をした場所。一年ぶりにやって来ましたが、前回が夜中だったのに対し、今回は昼間。しかも天候にも恵まれ、ぎりぎり花見シーズンということで気持ちよく撮影は進むはずでしたが、、初主演で初めてまともにセリフのある山口と、近作より参加の新メンバー川崎ゆかりの初共演という、初めてづくしということもあり、ファーストカットからなんと67テイクを記録!12時スタートで、終了は、日差しも赤くなり始めた5時過ぎ。そのころには体も冷えて寒くなっていました。
その後、休憩をはさみ室内での撮影。ここで川崎は酒に酔うという設定なのですが、終わった後皆で飲もうと買い込んだビールを、実際に飲み干してしまう熱演ぶり!それだけテイクを重ねたということですが。。ここでもファーストカット34テイクを記録!泣きの場面などもあり、大変なシーンでもありましたが、苦労しただけあって、初参加初日としてはすばらしい仕事をしてくれたと思います。


4/15 新作撮影日記3「中村敦子登場!」

撮影三日目。前日のプロレス観戦がひびいたか、主演で、しかも他のメンバーより一番近くに住んでいる山口拓哉が遅刻。ほとんど寝起き状態で撮影は今回もロケからスタート。撮影中立ったまま寝かけているシーンも目撃されました。新メンバーの川崎ゆかりは二回目とあってさすがに少しなれた様子で、ファーストカットは好調な滑り出し。今日が初日の中村敦子も、芝居自体が初めてにもかかわらず、芝居とは思えないほどのいい味を出してくれました。飛び交う蜂に、小道具のぬいぐるみを気に入られてにげまどっていましたが。この日も暑いくらいの快晴だったせいか、現場の景観のいい公園は家族連れや、たむろする中学生でにぎわい、たびたび中断を余儀なくされ、結局撮影時間は前回とほぼ同じで、11時開始5時終了でした。
休憩をはさんで前回と同じ部屋のシーン。ここではコーヒーがキーアイテムとなるのですが、NGを重ねるごとに大量にあったミルクとスティックシュガーが減っていき、失敗は許されないところまでいってしまいましたが、人間おいつめられると実力以上の力が出るもので、なんとか買出しに行かなくて済みました。


4/21 新作撮影日記4「春なのに・・・。」

今作はじめての二日間連続撮影の一日目。
この日は朝から雨。春だというのに冷え込みようにはかなりのものがありました。しかも撮影シーンは夜、外、半そでという過酷な条件が三つもそろった場面。出演者は、新メンバーで今日が初日の林勝巳と、三上憂軌、衣装を間違えて持ってきた(でもそっくりなやつがたまたまあって難を逃れた)マッキーの3人。
林くんにはいきなり悪いことをしてしまった気がしましたが、三上、マッキーのI.D.K.危険分子コンビにはもう慣れっこ(?)元気に現場を盛り上げていました(単なる邪魔かも)。初めてスタッフに徹した寒さにも弱い山口は、毛布に包まり、それでも震えて、何を言っても反応が鈍くなっていました。さすがにみんな疲れきり、翌日には案の定みな体の不調を訴えていました。


4/22 新作撮影日記5「見学者から新メンバーへ。



昨日の疲れも取れないまま迎えた通算5回目の撮影。さすがに今日はゆとりのあるスケージュール設定をしていました。しかし、急にキャストのひとりが参加できなくなり、必要以上なゆとりが出来てしまい、色々考えた挙句、予定になかったロケシーンを撮影することにして、急いで現場に向かいました。が、ものすごい強風!砂嵐状態!これでは撮影など出来るわけも無く、すごすごと引き返し、予定通り山口拓哉と川崎ゆかりの走行中の車中のシーンを撮影。同シーンの川崎のアフレコも行いました。その後、伊藤浩司と、撮影を見学したいということで、彼が連れてきた神田真理さん(仮面ライダーBLACKに準レギュラー出演)と合流。前作で好評だった?KDIニュースの収録を開始。ここで思いつきの監督は、急遽見学者だったはずの真理さんに、伊藤キャスターのアシスタント役として出演を要請。照明に苦労した撮影終了後には、ゆかりさんとともにメンバー紹介ページに載せるプロフィールを考えている彼女の姿がありました。いきなり新メンバー誕生です!


4/28 新作撮影日記6「大ピンチ!撮影中止命令!!」



新メンバー"ユッキー"と池田雄之のダブル初日。まずはロケ、2シーン撮影。ユッキーは芝居を本格的に勉強していることもあって、予想以上にすばらしい演技を見せてくれました。NGもほとんどなく、安定した滑り出し。一方の池田君は、自身でも映画を数本手がけた(監督)経験はあるものの、出演するのは初めて。本人はかなり緊張気味でしたが、その日本人離れした風貌が今回の役に見事にはまり、異様な雰囲気(誉め言葉)を漂わせていました。
こんな感じで、ロケは順調に終わるかと思った矢先、ある事情で突然の撮影中止命令が天より下されました。仕方なく似たような風景の場所に移動して再開。背景ごまかしアップ攻撃など、悩みながら残りわずかなカットをなんとか撮り終えることが出来ました(この移動先での撮影に協力してくださった田中さん、どうもありがとうございました。作品が完成したら必ずお知らせします)。
この日の夜は、予定していたロケを時間と体調と気分の問題で中止にし、中村敦子を加えて、室内1シーン撮影。


4/30 新作撮影日記7「I.D.K.名古屋支部」


ゴールデンウィークを利用した今作品唯一の名古屋での撮影。スケジュールもこの日一日しか全員がそろう日が無いので、なんとしても今日中にすべてを撮り終えなければ行けないという過酷な状況。室内だけとはいえ、これまでで最多の4シーンを撮影。出演者は神田泰と、前作"Door Version2001"の追加シーンよりメンバーに加わった山口大輔。そして前作の主演コンビ、風田次郎と木村梨紗(二人の出番は今作ではワンシーンのみ)。I.D.K.名古屋の代表、水上明也は珍しくスタッフに徹しました。
撮影はNG自体はたいして出なかったものの、スタッフ五島由紀恵の急病、神田の腹痛などで開始が遅れていた上に、撮り分にオープニングとエンディング部分が含まれていたので、おのずと力が入り、撮影時間はかなりの長時間におよびました。おかげで終了後の食事もあわただしく済ませ、終電で解散しました。

May
5/13 新作撮影日記8「太陽との戦い」


スケジュール調整の手違いで、急遽撮影シーンをすべて変更。当初の予定より随分楽な日程になったため、昼過ぎから集合。
出演者は山口拓哉、中村敦子(通称:あつお)、池田雄之。池田君の遅刻(一時間)もありましたが、余裕を持ってロケを同じ場所で2シーン撮影。そのうちひとつは夕暮れの設定だったため、休憩をはさんで撮影再開。しかし、いくら日が長くなったとはいえ、NGやセッティングで少し手間取っているとあっという間に暗くなっていき、最初はきれいな夕焼けだったのに、ラストカットのころには完全な夜になっていました。うまくつながるかどうかかなり不安です。
その後、室内であつおちゃんの別撮りシーンを撮影。今度は逆に昼の設定なので、外からカーテン越しにライトを当てて、昼間風にセッティング。下の写真中央に移っている怪しい顔は、太陽としてがんばってくれた山口拓哉です。


5/20 新作撮影日記9「日焼け&脱水症状」


とにかく熱かった!なにもここまでいい天気じゃなくても、と思わせるくらいの陽気。川辺のロケ地には、バーベキューや日焼けをする人、オカリナを吹き続ける人でにぎわっていました。またつらいことにこの日の撮影シーンは長い長い。カット割細かいで、かなりの長時間日光を浴びつづけることとなりました。メンバーみんな脱水症状になりかけ、主演の山口の衣装(季節はずれの厚手のジャケット)は汗で変色、女性陣は日焼けに悩まされました。12:00からスタートしたロケは、川遊びを楽しむ子供や、先述したオカリナ男に邪魔され、きれいな夕日の6:00過ぎまでかかりました。くたくたになりながらも、この日は日が暮れてから同じ場所でもうワンシーン撮影。


5/27 新作撮影日記10「山口拓哉・史上最大の危機」




前日に今日が雨だという情報を得て、スケジュールが二転三転。天気予報も時間ごとにどんどん変わって微妙な感じ。仕方なく当日判断で、予定通りロケに行くか、室内にするか決めることに。各シーン出演者が違うためスケジュール調整は難航。スタッフも急なことで集まらずばたばたしどうしでした。
結局雨音で目を覚まし、ロケは中止。クライマックスの重要なシーンの撮影となりました。
主演の山口は初の長セリフに挑戦!役者歴の長い新メンバー林勝己との初共演ということもあって緊張もあったのか、NGを連発。これまでの彼のセリフといえば、前作の"Door"では全編でたったの三言!それにくらべたら今作は大増量。肉体派?の彼にとってはかなりの試練でした。長時間の撮影になり、部屋を提供してくれた佐藤君(下・写真中央)には大変迷惑をかけてしまいました。しかしここで、佐藤君に改めてお願いします。ラッシュを見て、この日撮った山口のセリフをほぼ全部撮りなおすことが決定したので、また部屋を使わせて下さい。よろしくお願いします。

June
6/3 新作撮影日記11「KFFからの助っ人」

主役の山口、川崎、中村の三人に加えて、いつもスタッフとしてがんばってくれている池田くんも出演にまわったこの日。相変わらずの人手不足で、急遽I.D.K.のメンバーも参加しているプロレスファンサークルKFFの秋野さんと、匿名希望の友人一名に協力を要請。秋野さんには、音声という地味で意外と大変な仕事をしてもらいました。「話が違う!」とその大変さにクレームをつけていましたが、右上の写真(中央・マイクをもって岩場に立っている)を見て分かるように、本当によく働いてくれました。また、さらにこの日のシーンは、本作品中一番のカット数を誇る重要な場面で、最後のヤマでもありました。現場は高台のため、気温の変化も激しく朝から日暮れまでハードな撮影だったのにもかかわらず、正式にスタッフとしてメンバー加入してくれた秋野さんのがんばりにあやかって、恒例の記念撮影は集団コナン・ザ・グレートにしてみました。
PS.池田君。吐き気をもよおしながらも、大量の血のりを飲んでくれてありがとう!

6/10 新作撮影日記12「海ロケ出動!」


ついに東京は梅雨入り宣言!のびのびになっていたオープニングの海ロケをようやく敢行!スケジュール&天候的に今日がぎりぎりだったため、雲行きは怪しかったがI.D.K.カー&山口バイクで強行出動。雨が降ると場面がつながらないため、祈るような思いでした。現場の湘南海岸に向かう途中途中で、山口のバイクシーンを撮影しながら移動。到着するころには少しですが晴れ間も見えて一安心。海はサーフィンの大会が開かれていて、サーファーたちでにぎわっていました。長時間の移動時間の割に、撮影はあっという間に終わりました。当初はついでに海で遊ぼう計画もあったのですが、何しろいつくずれるかわからない空模様。食事を終えて早々と帰路につきました。結局渋滞に巻き込まれ、時間を食っているうちに雨が降り出し、バイクの山口はびしょぬれになりました。まぁ、撮影に支障は無かったのでよしとしましょう。今作メインのひとり、中村敦子も今日でクランクアップ。いよいよ大詰めです!

6/17 新作撮影日記13
    
「I.K.D.に改称!?池田監督デビュー&PRE打ち上げ敢行!」





I.D.K.名古屋代表の水上明也が来京。今作唯一の出演シーンの撮影にのぞみました。川崎ゆかりとはもちろん初共演。監督も前日の打ち合わせで風田次郎としてチョイ役で登場することになった。そこで急遽、この日の撮影は次回作の監督を務める予定の池田雄之に全権譲渡! I.D.K.での初演出をやってもらいました。これまでI.D.K作品のほとんどで監督・出演をこなしてきた風田には、かなり新鮮な経験。池田君の演出は皆に評判がよく、これからはI.K.Dでいこうという話しも飛び出すほどでした。後で彼の撮影分をチェックしてみたところ、井手とはまったく正反対というほどのカメラアングルでビックリ。監督の個性によって作風がガラッとかわる映画の面白さを改めて痛感しました。

本当ならこの日ですべての撮影が終了しているはずでした(山口拓哉の撮りなおしがなければ)。というわけで撮影後、PRE打ち上げを行いました。前々回より突如メンバーになったKFF秋野さんはもう随分前から参加していたかのように溶け込んでいました。

6/10 新作撮影日記14「ほとんどクランクアップ!」




前にお知らせした山口の撮り直しは、結局極力アフレコで何とかすることになり、共演した林勝巳にも足を運んでもらいました。
今回はじっくりとセリフのみに集中できたせいか、山口もようやく監督が言わんとしていたことをつかんできたようで、長期戦を予想していた収録も思いのほか順調に進みました。
この日は真夏並みの暑さだったにもかかわらず、音を拾ってしまうという理由からエアコンもつかえず、その上野郎四人が狭い部屋に閉じこもってるんだからその熱気は半端なものではなく、みんなぐったりとしていました。
その後移動して、アフレコでもどうしてもカバーできないワンカットを撮りなおし。スケジュールの都合で途中抜けした林に変わり、彼のうしろ姿を、彼の衣装を借りた池田雄之がメモ帳とマイクをもって熱演。皮パンが衣装の山口は、下半身は写らないということで短パンにジャケットという変態チックな姿で撮りなおしに望みました。その他、小道具、効果音、車載映像など、細かなカットも撮影。クランクアップ目前!

7/14 新作撮影日記15「うれしさみしいクランクアップ!」


ついにI.D.K.オリジナル最新作も撮影最終日を迎えました。名古屋支部の神田泰の声を電話で録音。その後当初の予定では山口拓哉と木村梨紗のラストカットを撮るはずでしたが、前作の「Door」のシーンを流用することになり、山口のアフレコのみを行いました。実は今回の作品は前作とのつながりを持っており、劇中いくつか「Door」のシーンが登場します。でも安心してください!「Door」を見ていない人でもちゃんと分かりますから!(見てるとなお楽しいですけど。ビデオ発売中です。宣伝したいわけじゃないですけどね。)