I.D.K.14「虹とピストル」製作日記('02 8/17〜'04 1/3)

Vol.1I.D.K.名古屋支部・2年ぶりの新作!新メンバー加入」('02 8/17)

撮影時間:AM11:00 〜PM6:00

写真の上にポインタを置くと
違う写真が見られるよ!
2000年度作品「Door-過去への扉」以来、2年ぶりになるI.D.K.発祥の地、名古屋での本格的撮影。今回の日程はわずか二日。二日で撮りきれるわけではなく、つながりに支障のない回想シーンのみをすべて撮影すると言うわけです。残りの本筋部分は冬に撮影されます。そうすることによって、うそ臭くなりがちな回想シーンと現在の時間差が、作りこむことなく生まれるという効果を狙った計画でもあります。事実、I.D.K.の看板役者にして名古屋支部の代表でもある水上明也は全身真っ黒になって現場に現れました。冬の撮影までには、元の肌色に戻っているでしょう。

この作品でI.D.K.デビューを果たす"ごま"は、ホームページ開設後、初めて行ったメンバー募集で応募してきた俳優で、メンバー入りしたものの、名古屋での活動が休止していたため2年かかってようやく初参加。よく今まで待っていてくれたものです。しかも現場経験は豊富なため、初日にして即戦力と化し、俳優としてだけでなく、よく気づくスタッフとしても活躍してくれました。


この日はものすごい快晴。しかし台風が接近中で、次の日は天気が崩れる可能性が出てきたため、明日に予定されていたロケシーンも、極力この日に撮りきるようにスケジュール変更。
まずはI.D.K.3作目にして主演に昇格した山口大輔と、隠れた実力者、ベテラン後藤将一の初競演シーン。二人ともスーツで汗びっしょりで演技。続いて水上、大輔、ごま出演の灼熱のグランドシーン。直射日光を浴び続けて体力消耗。また、I.D.K.の撮影方法は2年前の「Door」から進化しており、音声の別録など、現在の撮影方法にスタッフが不慣れなため、スムーズに行かないことも多々ありました。撮影風景のスチールさえ、撮れていなかったりする始末。。。


さて、暑さにやられまくったところでさらに今度は水上、山口のグランド激走シーン!50M以上の距離を全力疾走するさまを、アングルを変えて数パターン撮影。前日徹夜をしたという大輔の顔は、次第に生気をなくしていきました。それに対し水上は、昔I.D.K.映画でよく走っていたのを思い起こしたのか、大輔とは年齢差があるにもかかわらず、平気な顔で何本も連続して走ってくれました。カメラもその姿を”欽ちゃん走り"で追う

そして、初めてごまの芝居を拝見。独特なハスキーボイスで難なく初出演シーンをこなしてくれました。
最後に、現在東京で撮影中の池田組の新作の1カットを神田 泰GETTER CHANの出演でサクサク撮影。早い時間に予定シーンすべてを取り終わることができて、上場の滑り出しとなりました。

Vol.2 (8/18)


写真の上にポインタを置くと
違う写真が見られるよ!
やはり天気は下り坂。小雨がぽつぽつと。前日に撮った駅前での山口大輔の出勤シーンが、チェックしてみたところ気に入らなかったので急いで撮りなおし。すぐに移動して、木村梨紗、後藤将一、ワンシーン出演の五島由紀恵を加えて会社前のシーン。これで今回のロケはすべて終了。なんとか天気の影響を受けずに済みました。この日も出番が無いにもかかわらず、新メンバー"ごま"はいい働きを見せてくれました。

そして室内での撮影。昨日の東京・池田組用の撮影では、ひげをはやしたままヤクザの親分役をこなした神田泰が、今日はさっぱりとサラリーマンに扮して、大輔、将一との競演。このシーンは、大輔が取引先の神田に、プレゼンを行うという設定なのですが、台本にセリフはなく、音声は使用しないことが決定していたので、プレゼン内容は二人のアドリブにゆだねました。すると大輔は、自分が9月に客演する舞台のチラシを取りだし、
細かい説明を始めました。神田もそれに合わせていいタイミングで質問を浴びせる。最初は、カットをかけて、表情などの演出をつけていましたが、そのうち、二人の会話が普通に弾んでいったため、カメラは好き勝手に移動して、自然な二人の顔をおさえることに。収録が終わってなお、話は続いていました。。。ここで後藤将一、神田泰はクランクアップ。

続いて
今回のメインキャストである大輔と木村の重要なシーンを2つ撮影。I.D.K.には珍しく、今作は人物設定がかなり普通。そのせいか二人とも演技がしやすかったようで、撮影はスムーズに進みました。しかし、昨日の炎天下でのロケもきつかったのですが、室内とはいえ名古屋という土地柄もあって湿度が高くほんとに暑い。やっぱり撮影は春か秋がいいな、とつくづく思いました。

今日の撮影も昨日と同様順調に午後6時には終了。その後みんなで行った食事の席で主演の大輔は「昨日は走らされて体力的に、今日は精神的に参った。」と感想を漏らす。
確かに、今回の作品は暗い。。。大輔の役は精神的にやんでいる感じ。自分で脚本を書いていてもいやになってきたほど。実はこの時点で脚本は半分しかできておらず、出演者も自分が演じるキャラクターが、この先どうなっていくか全く分からない状態。「最後は一応ハッピーエンドだから。」と伝えると、少し安心してくれたようでした。が・・・ホントかどうか・・・。何しろ人がよ死ぬI.D.K.映画ですから。。。
さて、次回の名古屋・井手組の撮影は年末の予定。監督としては、みんなのビジュアルの変化に期待しております。

撮影時間:AM11:00 〜PM6:00

井手組・新作撮影日記 IN名古屋 VOL.3('03 1/4)

写真の上にマウスポインタを置くと違う写真が見られます。

昨年8月にクランクインした井手組2003年度作品。
今回で撮影はわずか三日目。8月に収録した部分はすべて回想シーン、つまり、実際の季節や俳優の変化を利用していよいよ本筋部分の撮影に入るというわけです。今回も前編名古屋にて撮影。

まずは名古屋駅前にて、主演の山口大輔水上明也のシーン。駅前の雑踏から駅に向かい、改札をくぐり、駅のホームへ。そして、電車に乗り、次のロケ地の駅に着き改札を出るまでを、延々と撮り続ける。特に電車内などでは派手に演出も出来ないので、俳優はいつカメラを回されるか分からない状況で、常に演技をしつづけなければいけないという過酷な条件。

到着した駅で少し撮影した後、今回はスタッフのみの神田泰サンダーと合流。次のロケ地へ車で移動。"Door過去への扉以来、急約三年ぶりに遽出演が決定したKサンダーと木村梨紗のロケシーン。サンダーは仕事柄、ずっとネクタイとはご無沙汰だったため、衣装のスーツに着替える際、水上にやさしく締めてもらっていました。

次いで室内での撮影。主にスタッフとして活躍する五島由紀恵が前回8月の木村扮するマキの同僚役に続き、今度は水上扮する雅也の妻役で後姿だけの出演、またも一言だけのセリフつき。

再びロケ。前日のロケハンで見つけた景色のいい川辺で、山口、水上が延々と歩いていくシーンを撮影。空の色が、だんだん雪が降り出しそうな雰囲気になってきて映像的にはいい感じ、しかし強風をダイレクトに受けて寒さも半端ではなく、バッテリーの消耗も早早。

これでこの日予定されていたロケはすべて終わり、あとは室内にて山口、木村のシーンをまとめて撮影。セリフ自体は少ないものの、少ない分一言一言が重要で、各劇団から引っ張りだこの名俳優・山口も苦戦。ラストの食事シーンでは、サンダーの考案でハシ置きのかわりにしょうがを使いました。ハシを置くのに手間取る山口。別にそのせいではありませんが結構な時間がかかり、終了は夜10時。

みんなで記念写真を撮り、帰り支度を始めたとき、水上の指摘で劇中に使う、山口と木村の写真撮影をしなければいけなかったことを思い出し、これは回想シーン(夏)で使うため、二人に半そでになってもらい、髪型に変化をつけ、冬の夜の寒空であわただしく撮りました。

この日の参加メンバーのうち3人がすでに風邪をひいていましたが、
撮影後、その数が増えていないことを祈るばかりです。

(
撮影時間 AM10:00〜PM10:00)


井手組・新作撮影日記 IN名古屋VOL.4('03 2/13)
第一回I.D.K.ミリオネア"極寒!岐阜・山頂ロケ"ファイナルアンサーは!?
<INTRODUCTION 2/12>
それは撮影前日の一本の電話からはじまった。
「ネクタイの色が分からない・・・。」
電話の主は、今作で重要な役どころを演じる水上明也。
前回の撮影で着た衣装はスーツ。ネクタイの色は2パターンあった。その2色のどっちが明日のシーンとつながるほうか自信がない、と、弱気な問題発言。いつもは慎重に衣装のメモを取っている水上も、今回はスーツのみということで油断したようだ。ここに載っている写真(↓1/11参照)を見ても判別不能だという。

たかがネクタイ、されどネクタイ。間違いは命取りだ!

チャレンジャー水上ライフライン"テレフォン"を受けた監督の井手も、全く記憶に無く答えられない。しかも撮影テープは東京だ。
水上に代わって、前回の撮影に参加した"
オーディエンス"一人一人に電話で質問開始!答えはA.「きみどり」B「ベージュ」ですでに "フィフティフィフティ"。それでも返ってくる答えは

山口「どっちかといえば・・・ベージュ」
五島
「ぜんぜん分からない・・・」
木村
「覚えているのはきみどり」
神田
「2パターン撮れば?」

などのあいまいな答え。
人間の記憶なんてこんなものだ・・・と、落胆。
すると最後の一人、
サンダーこと杉山がなんと覚えている様子!
助かったと思った矢先、

サンダー
「黒じゃない?」
井手
「ぜんぜん違う!」
サンダー
「じゃぁ・・・シマシマ!」
井手
「だからきみどりかベージュだって!」
お話にならない。。。

この悲惨なオーディエンスのみなさんの結果を水上に報告。
もう賭けるしかない、"
ドロップアウト"は不可能なのだ!

水上
「・・・じゃぁきみどりでファイナルアンサー
井手
「ファイナルアンサー!?」
水上
「ファイナルアンサー!」

結局ライフラインを使い切っても確証は得られず、
みのアップ&ドラムロールが鳴りつづけたまま、撮影に突入・・


<撮影日記 2/13>
一ヶ月半ぶりの井手組の撮影は、いよいよクライマックスに突入。今作品で最も重要な、主演の山口大輔水上明也のからみ。重要なだけにこの日はこのシーンだけにしぼって撮影することに。

監督の井手義和、スタッフの神田泰を加えた計4人で車に同乗。朝早く名古屋から岐阜へと出発。時間のロスを防ぐために道中、山口のアドリブによるドライブシーンを1カット撮影。
さらに、池田監督より依頼された、初監督作品「落としあな」の追加シーンを神田泰のアドリブで1カット撮影。

岐阜県に入ったところで地元民スタッフ五島由紀恵と合流。彼女の誘導で(迷いながらも)目的地の山に到着。山といっても山頂にお参りする不動があり、上まで車で登れる。まずはその山頂の場面から撮影開始。

この日の空は晴れたり曇ったり。日が差すと心地よいが、太陽が雲に隠れるととたんにものすごく寒くなる。しかも雪が今にも降り出しそうな感じで撮影シーンのイメージにはぴったり。しかし役者の二人にはかなりこたえたようで、顔がこわばりセリフをかみまくり、特に動きも無いので、じっと自分の立ち位置で強い寒風に必死に耐える。それでも体が横揺れするほど。

仕事の都合で途中で五島が下山したあと、その寒さはピークに達し、思わずスタッフの神田の動きが通常の2倍の速さに切り替わり、てきぱきと進行。ついに雪がちらつき始めたころ、この場面は無事終了。その後は、山口、水上が山頂に向かってひたすら歩くシーンをいろんなアングルで、日が沈むまで撮影。今までのI.D.K.作品には無かった広がりのある画が撮れました。

<EPILOGUE 2/25>
撮影が終わり、東京に戻り、一週間以上過ぎました。
忙しくI.D.K.の仕事をこなしている間も、
みのアップ&ドラムロールは続いていました・・・

そしてついに「
I.D.K.ミリオネア
水上明也1000万チャレンジの結果が!

「正 解!」

これを読んで、水上明也が名古屋でガッツポーズしている画が浮かんできます。
「おめでとう!」
といいたいところですが、これから気をつけてね。水上くん。


5/13 what's new!
井手組・新作撮影日記 IN名古屋VOL.5('03 5/2)
タイムリミットぎりぎり!?クランクアップ
昨年8月のクランクインから各季節毎に撮影して早9ヶ月。
前回が極寒の山頂だったことに比べれば、最終日の今日は比較的楽勝ムード。撮影に一番いい季節。
キャストは主演の山口大輔と、新メンバーごまの2名のみ。ゴールデンウィークの谷間の平日とあって、スタッフも集められず、監督・井手&名古屋代表・水上の最強タッグでスタッフを務めた。
撮影初日も使用したロケ地の公園には、幸いなことに心配していた元気な子供たちも見受けられずに、撮影は順調。

唯一手こずったのは、銀行ATMでのゲリラ撮影。
偶然おなじ時間にATMの列にならんだ大輔とごまが再会するシーンで、二人の間に並んでいる役で井手も今作唯一のエキストラ出演。カメラをセッティングして人がいなくなるまで待機。しかし一台しか無いATMには人の列が途切れることが無い。シビレを切らしてとりあえず行列に並んでスタンバイしておくことに。しかし、それでも後ろに次々と人の列が。とりあえずトライしてみたものの、カメラの存在に気づいた人たちが思いっきりカメラ目線だったりして、NGを連発。思わぬところで時間を食いました。

最後の収録となったごま一人のシーンを撮影中にメンバーの神田が合流。神田の今日の役割はスタッフではなく、その後のイベントがメイン。徐々にそのイベント開始の時間が近づいてきて、多少あせったものの妥協はせずに,予定時間以内に撮影は終了。無事、第一試合に間に合いました。
スタッフ&キャストの皆さん。長い間お疲れ様でした。



新日本プロレス/東京ドーム大会「ULTIMATE CRUSH」
を名古屋市・鶴舞の闘魂ショップRS CAFEで観戦。
こんな理由で撮影急がせてごめん!


井手組・新作撮影日記 IN名古屋VOL.6('03 8/18)
新機材登場!そして撮影日程延長・・・


ポインタを合わせてね。↑
決して遊んでるわけでは無いです。。

クランクインからちょうど1年がたったこの日、
前回5月の撮影で、クランクアップしたはずの井手組新作の追加撮影が急遽決定。理由は、監督こだわりの重要なワンショットの撮り忘れ、そして、電丼に影響され購入した新機材を使ってみたいという好奇心。出演者は主演の水上明也のみ。シーンの内容は、その彼が走る後姿。

新機材「マルチアングルアーム」は要は、簡易クレーン。
その特性を生かそうと、色んなアングルを試みたものの、期待していたほどの効果は得られず。機材が悪いわけでは無く、このシーンには向いていなかったようだ・・・

その時、スタッフとして参加していた神田泰が一言。
「山のシーンで使ったら良かったんじゃないか?」
・・・確かに、今年2月に撮影したあの極寒の山頂であれば、
活用方法はいくらでも思いつく!!
こだわりの監督は撮影の延長を決定。
撮影期間は2年目に突入する・・・。


井手組・新作撮影日記VOL.7('03 9/8)
I.D.K.初の子役登場!
台本には無いが、設定だけはあった、主役の父親との思い出をどうしても映像化したくなったため、またまた追加シーン撮影が決定。I.D.K.作品に初めて子供が登場することになりました。
主演の水上明也の子供時代を演じたのは丸澤虎ノ介くん、父親役には、I.D.K.随一子ども扱いのうまい池田雄之が扮し、二人で山登りをする場面を撮影しました。虎ノ助くんは、子役をやっているわけでもない本当にごく普通の小学校一年生ですが、池田の上手いリードで、カメラを意識することなく、どんぐりを拾ったり無心で遊んでくれて、とても自然で和やかな雰囲気の画が撮れました。


井手組新作撮影日記IN名古屋8('04 1/3)
「マルチアングルアーム実験撮影」

去年の夏に思いついた「マルチアングルアーム」の活用法をいよいよ実践へ。崖の高さを強調するために、アームに取り付けたカメラを崖下へ突き出す。が、効果はいまいち。いろいろ試行錯誤して数パターン試みたものの、なかなか思うようにいかない。
結局、前回撮り忘れたロングショットと、崖下を見つめる主演の水上明也の俯瞰ショットを押さえて、撮影は2時間で終了。
とりあえずこれで本編はクランクアップ(?)。残すは音楽担当・高岡冬樹のバンド(名前未定)による主題歌のPV製作(劇中に登場します)ということで、打ち上げと新年会もかねて、カラオケで盛り上がりました。


井手組新作製作日記IN名古屋9('04 7/18)「ラッシュ&タイトル決定会議」
撮影開始からまる二年。ようやくラッシュまでこぎつけました。が、ラッシュなので、テロップや音楽は一切入っていない上に、主題歌のミュージッククリップを挿入予定なので、まだまだ撮影も完全に終わったわけではないのです・・・。

この日の参加者は監督の井手義和、主演の水上明也、木村梨紗、ちょっと出演している神田泰、杉山(サンダー)忠臣のI.D.K.名古屋メンバーの5名。
前作「落としあな」(池田雄之監督作品)を未見のメンバーのために上映したあと試写。
問題点や修正点を検討したあと、タイトル決定会議に。
今作は、これまでの作品とはおおきく異なり、
登場人物はすべてふつうの人々、日常的なストーリー、結末はハッピーエンド、と、I.D.K.史上初のこころみを多く行っているうえ、テーマも複雑で、いまだに仮題もついていないという有様。。
メンバーから数々の案が出されたが、決定には至らず、難航を極めております。

(7/22、高岡冬樹に音楽発注。)